ビルや店舗物件などの商業不動産を売却するには、どうすればいいのでしょうか?
不動産を売却する大きな流れとしては、居住用の不動産とそこまで違いはありません。ただし、「どの不動産業者に売却を依頼するか?」など、商業不動産だからこそ注意しなければならないポイントがいくつかあります。
この記事で、売却の流れの中で注意すべきポイントを見ていきましょう。
不動産の売却を検討する方は、自分の中でおおまかな売却の基準を作るようにしましょう。これは商業不動産に限らず、どんな種類の不動産を売却する場合にもあてはまります。
まず、「いくらで売却するか」について考えましょう。実際にいくらで売りに出すかは、不動産業者に売却を依頼した時に決めることになりますが、自分の中で基準を持っておくことはとても大切です。
例えば、実際に売り出してから反響が思わしくない場合、売却価格を下げる必要が出てくるかもしれません。あるいは購入希望者から、値引き交渉が入るかもしれません。
この時、自分の中で譲歩できる限度をあらかじめ決めておけば、相手の希望を鵜呑みにしたために思わぬ損害を受けるリスクを排除することができるのです。
次に、「いつまでに売却するか」の目安についても考えましょう。あまり長い間市場に残っていると、売れ残りであるというイメージが付いてしまいます。特にこだわりがない場合でも、なるべく期限を設定するようにしましょう。
売却価格の設定については、過去の記事をご覧ください。
不動産の売却価格の決め方
商業不動産の売却を不動産業者に依頼する時は、「商業不動産に強い業者」に相談をするようにしましょう。
商業不動産は、住宅以上にひとつひとつの個性が強いです。商業の専門知識やノウハウが要求される場面が多いため、一般的な不動産会社では対応しきれず、かえってトラブルの原因になってしまう可能性が高いのです。
具体的に想定されるトラブルは、以下の通りです。
商業不動産を扱うことに慣れていない不動産業者に依頼すると、その不動産の持つ強みを効果的に宣伝することができず、販促活動が上手くいかない可能性があります。中には市場に情報を出すだけで、売却に向けて積極的に動こうとしない業者もいます。
商業不動産の売却ノウハウを持っていない業者は、その不動産の価値を正確に把握することが難しいです。そのため、早期の売却を優先するあまり、本来売却できる価格と比べて安価で売り出し価格を設定してしまう可能性があります。
無事に売却できたはいいものの、用途地域や業種制限のために、買い手が想定していたような使い方ができないとなれば、大きなトラブルに発展してしまいます。
商業不動産には多くの法令が関係しているため、当然仲介を担当する不動産業者はその法令について正しく理解をしている必要があります。経験のない業者が仲介をしてしまうと、確認漏れが出てしまう可能性は否めません。
以上のリスクを避けて安全に取引ために、商業不動産の売却を依頼する時は、商業不動産に強みのある不動産業者にお願いするようにしましょう。
無事に購入希望者と合意に至れば、必要書類の入手や手続きを済ませて売買契約を締結することになります。必要書類や発生する費用は、一般的な不動産売買とほぼ変わりません。
もし売却対象となる不動産にテナントが入居している、つまり「オーナーチェンジ物件」である場合は、所有者が変更になる旨をテナントに通知をする必要があります。なぜならテナントの立場からすると、賃料を支払う相手が変更になるからです。売主と買主(新しい所有者)は、連名で通知書を出すことになります。
ちなみに、物件が売却されることについて、事前にテナントから許可や同意を得なければならない義務はありません。ただし実務上では、後々トラブルに発展することを防ぐため、テナント側から同意書を入手しておくことが安全とされています。
商業不動産を売却するおおまかな流れは、一般的な不動産を売却する時と変わりません。ただし実際に売却をしていく中で、商業不動産に関する専門的な知識はもちろん、買い手を募集するノウハウやネットワークが必要になる場面が出てきます。そのため、住宅をメインに扱う不動産業者に依頼すると、思うように売却できない可能性があるのです。
不動産売買という大きな金額が動く取引だからこそ、後悔やトラブルのないよう細心の注意を払う必要があります。商業不動産に強い不動産業者をパートナーに付けて、スムーズな売却を目指しましょう!
不動産売却について様々な情報を元に専門家による無料相談を承ります。是非ご利用ください。