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不動産投資情報

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エンジニアリングレポートとは?

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「エンジニアリングレポート」というものをご存じですか?
エンジニアリングレポートは、不動産売買におけるデューデリジェンスの過程で作成される調査報告書のことです。売買対象となる不動産の適正な評価を導き出すために、第三者の視点から中立の立場で作成されることが望ましいとされています。
この記事では、エンジニアリングレポートの位置づけから、どのような場面で役に立つのかについて解説していきます。

デューデリジェンスについては、過去の記事をご覧ください。
デューデリジェンスって何?

1.物理的観点から建物を評価した資料

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デューデリジェンスでは、主に3つの観点から不動産が評価されます。

  • 法的観点
  • 収益的観点
  • 物理的観点

このうち、エンジニアリングレポートとは、物理的観点からの評価において作成される資料のことです。ただし上記の3つの観点はそれぞれ別個で独立しているものではなく、互いに関連する部分が少なからずあります。

例えば、「建物がどのような立地であるか」は物理的観点になります。しかしそもそも建物は、建っている土地に適用される各種法令の制限を受けているはずです。「建物が関係法令に違反して建築されていないか」、ここに法的観点が出てきます。
また、建物の築年数は物理的観点ですが、築年数と収益性には大きな関係があります。「建物の修繕にどのくらいの費用がかかるか」、「修繕をすることでどのくらいの利益が見込めるか」、ここに収益的観点が出てきます。
このように、3つの観点は切り離すことなく、全体でひとつとしてとらえる必要があります。

その中で、物理的観点からの評価をまとめたエンジニアリングレポートは、取引の対象となる不動産そのものにフォーカスした資料になります。法的観点や収益的観点について、さらに詳しく不動産を評価するための、デューデリジェンスにおける土台の部分であると言えるかもしれません。

2.エンジニアリングレポートの3つの側面

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それでは、実際にエンジニアリングレポートが作成される際は、どのような内容が記載されるのでしょうか。これは、作成者によって若干の違いがありますが、ここでは大まかに3つの側面に分類することにします。

(1)不動産の状況について

まず、取引の対象となる不動産の状況について調査した内容が記載されます。
不動産の状況というのは、建物構造のような基本的な部分に限った話ではありません。建築時と比べて建物がどのくらい劣化しているのか、建築基準法をはじめとした法令に適合しているか、修繕コストはどのくらいか、といった部分も調査されます。
不動産状況の延長として、不動産が保有する設備も調査の対象となります。目視による調査はもちろん、正常に稼働するかどうかを確認する場合もあります。

また不動産売買事例の中には、建物の老朽化のために、購入後に既存の建物を取り壊し、同じような規模のものを新しく建築する予定のケースもあると思います。そのような場合、どのくらいの費用が発生するかは、買主として知っておく必要があるでしょう。この費用(再調達価格)を調査するのも、エンジニアリングレポートの対象となります。

建物の状況を知ることは、将来的な資産運用の流れを組み立てるために、非常に重要なことです。売主側から開示された資料と合わせて、エンジニアリングレポート上でも確認をするようにしましょう。

(2)環境について

次に、不動産の環境について調査した内容が記載されます。
建物が建っている土地について、土壌汚染の心配はないか。建物には、アスベストをはじめとした有害物質が含まれていないか。売主側に資料を請求したり、専門的な知識を持つ業者が現地調査をしたりして、確認していきます。

環境面のマイナス要素は、不動産の価値や安全性を下げることになります。購入後に発覚したとなれば、買主側は想定していた資産運用を実現することが難しくなるでしょう。
またこれらの情報は、売主側が開示することを敬遠する場合も考えられます。しっかりと確認するようにしましょう。

(3)災害について

不動産が持つ災害のリスクについても、調査した結果が記載されます。
とりわけ日本は、地震大国として知られています。日本の経済活動に影響を与えるような大地震が発生すれば、当然不動産にも影響が出ると考えられます。

エンジニアリングレポートでは、将来発生しうる大地震が実際に起きた場合、建物倒壊や構造躯体への被害のような物的損失や、それに伴う経済的な損失を分析することになります。買主は、不動産の持つ将来的な災害リスクを知ることで、収支計画の練り直しや、場合によっては購入の是非を判断することになるでしょう。

3.エンジニアリングレポートは誰に依頼するか?

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エンジニアリングレポートは、不動産に関する内容のほか、環境や災害リスクに関する情報など、記載される項目が非常に多岐に渡ります。そのため、「どこに作成を依頼すればいいのか分からない」と感じる方もいらっしゃるかもしれません。
実際のところ、エンジニアリングレポートを作成するために必要とされる資格はありません。裏を返せば、作成自体は誰でも可能なのです。そのため、依頼する事業者によって内容にばらつきが出ることも考えられます。

エンジニアリングレポートの作成を依頼する場合は、まず不動産業者に相談してみることをおすすめします。不動産売買の取引において、デューデリジェンスをきちんと実施する業者であれば、信頼できるネットワークを持っている可能性が高いです。不動産の専門知識を持つ業者から、対象の不動産について客観的な意見を聞いてみるのも良いでしょう。

4.まとめ

エンジニアリングレポートは有用な資料のひとつですが、これだけで不動産を適正に評価できるとは言い切れません。より詳細な調査を実施する必要になる場面もあります。
ただし、デューデリジェンスの足掛かりとして重要であることは間違いありません。不動産の売買においてデューデリジェンスを実施する場面になった時、この記事を参考にしていただければ幸いです。

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