不動産投資を始めるにあたり、あなたはどんな物件を購入したいと思いますか?
おそらくほとんどの人が、「長い期間たくさんの利益を生み出してくれる物件」を購入したいと思うはずです。
しかし、そのような誰もが欲しがる物件はどのように見つけ出せばいいのでしょうか。
ここでは、収益物件を選ぶときに大切にするべきポイントを三つお伝えしていきます。
不動産投資に興味のある方、もしくはすでに不動産投資をしていて、追加購入を考えている方は、ぜひ参考にしてください。
まず不動産投資においては、「立地を見る」のが基本であると言われます。なぜなら土地という条件は、後から変更することができないからです。
老朽化などの理由で建物の状態が悪くなっていても、その建物を建て替えることは可能です。しかし土地の条件が悪い場合、その土地を取り替えることはできません。
そのため何よりも大切なことは、土地の資産価値がどうなるかを見ることなのです。
土地の価値がどうなるかを見るための手段のひとつに、その土地の周辺環境が今後どうなるのかを見る、というものがあります。
例えば、近い将来に鉄道の駅が新設されるような土地であれば、その土地の価値は大きく上昇することが見込めます。
実際、駅のホーム設置などによって複数の路線が乗り入れるようになった武蔵小杉駅周辺では、大幅に人口が増えたことに伴い、地価が上昇しました。
逆に人口が減少しているエリアであれば、地価が上昇するというのは現実的ではありません。
人口も減れば店も撤退し、賃貸需要が見込めなくなってしまう可能性が高いのです。
将来的に土地の資産価値はどうなるかを見抜くことは、そこまで難しいことでありません。
各地の開発計画を調べたり、鉄道の延伸計画を調べたりすれば、将来人がどういった場所に集まるのか、ある程度予測を立てることができるでしょう。
まだ自分だけで考えたり調べたりするのではなく、不動産会社をはじめとした不動産のプロフェッショナルから意見や情報を聞いてみることも検討しましょう。
収益不動産を探す場合、どうしてもその不動産が持つ利益の側面にばかり目が行きがちです。
しかし、その不動産の維持、管理にどれくらいの費用がかかるのかをチェックすることも、また大切なことです。
不動産のランニングコストのうち、土地にかかる費用は固定資産税などわずかなものです。
そのため、土地についての費用はそれほどかかりません。
しかし建物においては、固定資産税などの税金だけではなく、管理費や積立修繕費などといったランニングコストも発生します。
一般的にこのランニングコストは、不動産収入のうち約2割程度を占めると言われています。
新築の物件は価格こそ高いものの、建てられたばかりなので修繕工事の必要が少なく、その分維持費は抑えることも可能です。
その一方で中古物件の場合、新築に比べて価格は下がっていることが多いものの、購入前に建物の状態をしっかりとチェックしておく必要があるでしょう。
具体的には、屋根や外壁が劣化していれば屋根塗装や外壁塗装、雨漏りや浸水の恐れがあれば防水工事など、場合によってはその建物を維持していくために多額の修繕費が発生してしまいます。
建物の状態が悪ければ、当然そこから得られる賃料収入も多くは期待できません。少ない不動産収入の中から多額の修繕費を費やすと、収入が圧迫されローンの返済が回らなくなってしまうこともあるのです。
不動産を購入する前には、どの程度の税金が課税されるかを確認すると同時に、不動産の修繕履歴などもしっかりとチェックしておきましょう。
しかるべき修繕がなされている物件であれば、購入後すぐに大規模な修繕をしなければいけない可能性も低く、しばらくの間ランニングコストを抑えることができます。その分、得られる収入から引かれる支出も少なくなり、より多くの利益を手元に残すことができます。
不動産投資においてテナントビルを購入する場合は、既存テナントの種類を見ましょう。
これは後々の収益対策だけでなく、トラブル発生による思わぬ不利益を防ぐために重要です。
極端な例として、「静かでリラックスできる空間の提供を売りにしているカフェ」と、「賑やかさと元気な雰囲気を武器に深夜まで営業している居酒屋」が混在している場合を考えてみましょう。系統の違いによって、「営業妨害になるので静かにして欲しい」、「契約内容には違反していないのにそんなことを言われる筋合いはない」といったように、テナント同士の間でトラブルが発生してしまう危険があります。
ここまで分かりやすいものではなくても、他のテナントと比較してあまりにも異業種なために特性が理解されずに問題となっているテナントがいたり、内容的に競合する業種(いわゆるバッティング)であることによってトラブルが発生していたり、テナント同士のトラブルというのは案外色んな場所で起こりうるものと言えます。
このようにテナント同士の関係性を見ておかないと、購入後にトラブルが発覚し、それが原因となってテナントの退去が起こってしまう可能性があります。テナント間のトラブルによって発生した空室を埋めるには、同じようなトラブルが発生しないように注意を払ったり、制限を追加する必要があったりと、通常よりも苦労することがあるのです。
店舗ビルなどのテナント入居型収益物件を購入しようとする場合は、テナントの関係性や種類を事前に確認することにしましょう。不安要素があれば、すぐに取り除けるものなのか、将来的な利益にとって支障のあるものなのかを考え、場合によっては購入自体の再検討を視野に入れてもいいかもしれません。
収益不動産を選ぶポイントについてご紹介してきました。
実際に購入の検討をする場合は、その不動産の価格や利回りといった表面的な情報ばかりを追うのではなく、どのような運用をして利益を生み出していくのかを長期的に考える必要があります。
また、最終的に購入の判断をするのは自分自身にしろ、偏った情報や視点で全体を判断してしまうことは危険です。色々な不動産会社の人間に話を聞き、収益不動産運用の上でのパートナーを選ぶことも、優れた収益物件を探すための近道ではないでしょうか。