マンションやアパート、土地といった不動産を所有していると、必ず耳にする「固定資産税」。 しかし、「取りあえずなんとなく払っている」、「実際どういうものなのかは知らない」など、かなりあいまいな状態になっている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
固定資産税についてしっかりと把握できていないと、精度の高い資金計画を立てたり、きっちりとしたコスト管理をしたりすることが難しくなる可能性があります。
もしかしたら、必要以上の過払いをしてしまっているかもしれません。
この記事では、固定資産税の特徴や計算方法などについて、紹介しています。 固定資産税についての理解が深まり、実際に税額を計算できるようにもなりますので、参考にしていただければと思います。
まずは、固定資産税の特徴や納税方法について、紹介します。
固定資産税は毎年納税するものなので、基本的な内容は必ず押さえておきましょう。
固定資産税とは、毎年1月1日現在で不動産を所有している人に対して課せられる税金のことです。
固定資産税は、それを決定する基準となる固定資産税評価額をもとに算定され、所在市町村が徴収をします。
固定資産税評価額は、各自治体が決定するものであり、土地で言えば公示価格の7割程度の価格となることが一般的です。
所有不動産の固定資産税評価額を確認するには、次の3つの方法があります。
固定資産税の課税明細書は、毎年4月頃に市町村から送られてくるもので、評価額が載っています。
固定資産評価証明書と固定資産課税台帳は、役所で入手・閲覧が可能です。
なお、「固都税」という言葉もあるように、不動産の所在地によっては固定資産税のほかに、都市計画税もかかります。
都市計画税とは、都市計画や土地区画整理事業に充てる税金であり、市街化区域内の不動産所有者に課せられます。
徴収されるタイミングは、固定資産税と同じです。
固定資産税や都市計画税は、毎年4月〜6月頃になると、対象となる不動産の所在市町村から納税通知書が送られてきます。
通知書の中には、4期に分けられた納付書が同封されており、これを使って納税をします。
納税方法は、以下5通りです。
現金払いができる機関は次のとおりです。
納税者はこれらの方法・機関で、期日内に支払いをする必要があります。
ここからは、実際に固定資産税などの計算方法を見ていきましょう。
固定資産税の計算方法は、以下のとおりです。
税率は自治体によって異なることがあります。
また、都市計画税の計算方法は次のとおりです。
固定資産税と都市計画税を合わせて考えると、「固定資産税評価額×税率1.7%」で計算ができます。
固定資産税は1.4%以上になることもあり得ますが、都市計画税は最大でも0.3%です。
尚、土地と建物の評価額は、一般的に次のように算出をします。
土地の評価額
土地の評価額は、土地の面積に路線価を掛けて算出をします。
建物(家屋)の評価額
建物(家屋)の評価額は、補正率である評点1点あたりの価額に床面積や再建築費評点、経年減点補正率を掛けて算出をします。
再建築費評点とは、「まったく同じ建物」を「まったく同じ場所」に建てた場合にいくらかかるかを求めたものです。
前述の通り、固定資産税は毎年1月1日時点の不動産所有者に課税されます。
この決まりをそのまま適用してしまうと、もし5月や6月といった1年の途中で所有不動産を売却したとしても、基準の1月1日は経過しているため、その当時の所有者が全額負担することになってしまいます。
1年の途中で売却したにも関わらず、その年の固定資産税を売主が全額負担するのは、どう見ても不公平です。
そのため、引き渡し後の固定資産税分は買主が負担することを当事者が約定した上で、売買契約を交わすことが一般的です。
売買する際は、固定資産税を日割り計算して、引き渡し後の分を買主が売主に支払います。
日割り計算をする場合は、地域によって起算日が異なる場合がありますが、関東は1月1日、関西は4月1日が一般的です。
ここでは関東エリアで不動産の売買をして、引き渡しが7月1日、固定資産税が10万円の場合を考えて、実際に日割り額を計算してみましょう。
このようになります。
売買の際は、固定資産税が日割り計算になることを把握しておきましょう。
固定資産税の特徴や計算方法などについて、詳しく見てきました。
最後に、大切な内容をまとめると、次の3点が挙げられます。
不動産とは密接な関係にある固定資産税。
現在不動産を保有している方は、自分の不動産にいくらくらいの固定資産税がかかっているか確認してみましょう。 これから不動産所有や不動産投資を検討している方は、これらの知識を事前に身に着けることで、後悔のない物件選びをしてください。